オジスキンクリニックの吉原です。
先日、ダーマペンについて解説しました(→https://www.ozi-skin.com/acnescar/)。
「ダーマペン」と検索すると通販サイトがなぜか出てきます。
ダーマペンは医療機器なので、細かくいうとダーマペンではなく類似品なのですが、実際どのようなものなのでしょう。
今回は「セルフダーマペン」に焦点をあてていきたいと思います。
◆ダーマペンとは◆
前回も解説しているのですが(→https://www.ozi-skin.com/acnescar/)
ダーマペンとは皮膚の真皮を刺激してコラーゲンを増やすよう働きかける治療です。肌の入れ替えをおこなうことができるのでとても人気なクリニックメニューです。
特にニキビ跡、毛穴に効果があります。
刺激という表現をしていますが、実際には皮膚表面に細かい針孔を開け、その傷を治そうとする働きを利用するものです。ケガをするといつの間にか自然に治っていますよね。
◆セルフダーマペンとは◆
その名の通り、クリニックで行うダーマペン治療を自分でしてしまおう!というものです。
自分でクリニック同様できるのであればそれに越したことはありません。が、実際自分でダーマペンをするのはクリニックで施術をうけるのと何が違うのでしょうか。
◆必要なもの。自分で用意できるのか検証◆
①麻酔クリーム
クリニックで準備する場合はエムラクリームやリドKクリームなどの医薬品を用いて施術します。
麻酔クリームはそれだけでアレルギー反応のように腫れたり、赤みが出たり、痒くなる方がいます。当院では赤みが出にくいリドKクリームを導入しています。
ちなみに濃度は10.56%です。
調べると麻酔クリームは個人通販でも手に入るようです!
ただし、「〇〇と同成分です」のような記載があるのみ。試していないので何とも言えませんが、医薬品のインターネット販売は本来禁止されているものですので通販で購入する場合は自己責任となるのでしょう…。
②滅菌された針
ダーマペン4には当然ながら滅菌された針が付属でついてきます。
しっかり滅菌期限も記載がありますし、医療機器なので安心して使用できるものです。
個人輸入の場合も針が付属でついてくるようです。
が、なかには滅菌期限などの記載がないものもあるようですね。これは滅菌されているか怪しいところです。
メーカーに直接問い合わせてどのような滅菌をしているのか聞いてもよいかもしれません。
そして根本的なところですが
基本的に、「針を刺す」という行為は免許が必要になります。
鍼灸だってもちろん免許が必要です。
免許を持つ人しか使用することが許されないものを通販で販売するのはおかしいですよね。
つまり、その針は針とは認定されていないもの、となります。
残念ながら針というには鋭さが足らず、非常に鈍くとがったもので肌を傷つけているだけの可能性が高いです。
③消毒
これはクリニックはもちろんですが、手に入るかと思います。
アルコールはしみますし、傷部分が赤くなりやすいのでご注意くださいね。
④機器本体
クリニックではダーマペン4を使用しています。これはれっきとした医療機器ですので、安心して治療を受けていただけるかと思います。
類似品が通販でも販売されていますね!ダーマスタ〇プ、ダーマ〇〇のような商品名でたくさん出てきます。価格帯は1万円前後からでしょうか。
医療機器は当然個人で購入することはできないため、通販で購入するものは医療機器とは認定されるに至らなかったものとなります。
例えば、針が均一に出ない、針の滅菌が甘い、などの機器としての不具合がある可能性はもちろん、施術することによって肌への効果が認められないのでしょう…。
➄勇気
治療を受ける勇気はもちろん必要です。
赤みが出ますし、はじめての治療ならなおさらです。
まして自分で針を刺すと思うと…勇気がなかなか出ずに全然針孔あいておらず肌の上で機器をこすっているだけ!にならないよう気を付ける必要があります。
肌をむやみにこする=色素沈着の原因にもなりますからね!
そもそも市販されている針ですと、鋭さが足らずに肌表面に細かいかすり傷をつけているだけ、になっている方が多いのではないでしょうか。
⑥導入薬剤
ダーマペンは皮膚に真皮までの針孔があいていますので、直接ここへ有効成分を導入することが可能な治療です。
しみやくすみが気になるのであれば美白成分ですし、毛穴であればボトックス、肌の入れ替えで肌質を変えるのであれば幹細胞…などなど。
薬剤導入することでしみやくすみが消えていきます、という研究論文ももちろんあります。
セルフでする場合は当然こういった医薬品は導入できませんので、なにも導入しないor市販のものを入れていくことになりますね。
市販のものを導入するとなると、なにが良いのでしょうか。
よくプラセンタを~など聞きますが、市販されているものはブタ・ウシのプラセンタで、ヒトプラセンタではないことが多いので注意が必要です。
ちなみにヒトプラセンタのジェルクリームも海外通販で購入できますが、HIVや肝炎などのチェックはどれくらいしっかりしているかわかりませんよね。少し怖いな、と思ってしまいます。
日本の医療メーカーが販売しているプラセンタ注射は細かい基準を潜り抜けたもののみなので安心してご使用いただけますよ。
◆結果、施術は自分でできるのか◆
セルフでもなんとなくモノは用意できる…ようです!
(デメリットもたくさん書いてしまいましたが、できなくはなさそうです!)
あとは自分で施術ができるかどうか、ですね。
・麻酔クリームの効き
・勇気
はもちろん大きく関係しています。
そしてなにより大切なのが針の深さ・細さ・圧力のかけかた・反復回数です。
これらは一歩間違えると色素沈着、肌荒れ、毛嚢炎、傷、内出血に直結します。
オジスキンクリニックではメーカーの指導をうけた看護師が施術を担当し、針の深さは医師が部位別に肌質をみて0.1mm単位で決めていきます。
セルフでされる場合は・押し付けすぎず、設定した針の深さをしっかり肌の真皮へ入れ込んでいくことが治療のカギとなります。
また、使用する針も太すぎると肌の修復が追い付かずに単なるキズアト形成になります…。
ダーマペン4は33G(ゲージ)と超極細ですが、少なくとも32Gの針を使用していただくのがよいかと思います。
◆まとめ◆
ダーマペンはセルフでも曲りなりにできなくはない…ようです!
ただし落とし穴が多すぎる!そしてそもそも針を刺す行為は無免許で行えません。
実験ではなく自分の肌質改善が目的なのであればセルフは避けたほうがよさそう。
みなさんもぜひ様々な視点からチェックしてみてください!
ダーマペン治療の詳細は→https://www.ozi-skin.com/beauty/treatment/dermapen.html
浦和駅1分の美容皮膚科・まぶたの治療【OZI SKIN CLINIC】
日付: 2021年1月20日 カテゴリ:しわ, ダーマペン, 女医のきれいブログ, 毛穴 and tagged ダーマペン