こんにちは、オジスキンクリニックの吉原です。
前回は「リベルサスとは」を記載しましたが
今回はリベルサスの効果に迫ります。
その前に…
海外で「効果ありました!〇〇よりも優れています!」と論文が発表されたとして
よーく見てみると、「え、日本の使用量の倍使ってるじゃーん」なんてことがよくあります。
そして「あ、体重減少じゃなくて血糖値の改善ね、」ということもあります。(これはタイトルに惑わされずにちゃんと読めばわかることなのですが(笑))
みなさん論文を読むときは気を付けてください。
リベルサスの使用量については、日本では
まずは1日1回3mgを4週間。その後効果がなければ7mgへ増量。最大14㎎まで投与可。
となります。しかし海外の論文での使用方法は
3㎎から開始として徐々に漸増させて14㎎で投与継続。
なんです。もう臨床試験の時はデフォルトで14mg。
この類の薬はある程度用量依存性に効果が出ますので、当然3mgよりも14㎎のほうが体重減少効果は高いです。
ただし、本来の使用方法としては3mgから開始して7mgが維持量が基本。
それも踏まえたうえで実際に今までの研究をみてみましょう。
リベルサスの量比較ver.1
こちらの結果は少し衝撃的です。
26週内服の結果。リベルサス3mgはプラセボ(偽薬群)と大差なし=効果なし。
えー、、ですよね。
ただし7mgに増量すると効果が出てきます。結果を出すなら14㎎が推奨のよう。ただ、リベルサス3mgも1.0kg程度は体重が落ちます。14㎎内服すると半年で3~4kg落ちるようです。
Randomized Clinical Trial of the Efficacy and Safety of Oral Semaglutide Monotherapy in Comparison With Placebo in Patients With Type 2 Diabetes
リベルサスの量比較ver.2
52週間継続治療の結果です。こちらの結果は3㎎でも効果があった、との評価です(偽薬群では体重減少がみられなかったと)。ただし、0.8kg程度。もちろん14㎎まで増量することで体重の減り幅が大きくなります。14㎎までの増量でやはり体重は3~4kg減ります。7mgでの継続だとおよそ2.0kg減とのこと。
Efficacy, Safety, and Tolerability of Oral Semaglutide Versus Placebo Added to Insulin With or Without Metformin in Patients With Type 2 Diabetes: The PIONEER 8 Trial
結果、体重は減る。
結果として、4週毎に増量し、7~14㎎で継続することが可能であれば体重は減ります。体重減少効果は26週目くらいがピークになる傾向があるようです。
少なくとも26週まではリベルサスを内服する意義がありそうです。
実際にリベルサスの海外の公式ページには
の文言があります。
ただし、今までの研究では26週を超えると若干リバウンドする方がサクセンダ注射よりも多い印象。そのあたりはさすがダイエットで認可を得ているサクセンダ、というところでしょうか。
では、副作用を比較してみたいと思います。
サクセンダとリベルサス 副作用は?
サクセンダの副作用については以前コラムでお伝えしました。
→https://www.ozi-skin.com/glp-1-saxenda/
実は内服でも副作用の種類は同じ。ただし、頻度が変わります。
基本的にはサクセンダよりもリベルサスのほうが副作用頻度があがります。
吐き気や便秘、下痢、腹痛など消化器症状がメインとなりますが、どれも数%頻度が上昇するようです。
ただし、低血糖や膵炎などの重篤な副作用の発生率は相変わらず非常にまれ。
このあたりも気を付けるポイントは同じなのでぜひ以前のコラムを読んでみてください。
消化器症状に関する副作用は維持量になってから4週間程度で落ち着いてくるものがほとんどです。
どうしても我慢できない!というときは一旦使用量を下げるのも手ですね。
まとめ
リベルサスで実際に痩せることができる、というのはどうやら事実。
では今までのサクセンダ注射とは何が違うのでしょうか。
副作用はサクセンダのほうが楽ですが、注射よりも内服のほうが継続しやすいですよね。
さて、効果をしっかり感じることができるのはどちらなのでしょうか。
次回に続きます。