こんにちは、オジスキンクリニックの吉原です。
よく、お客様からご質問があるのですが
「これってホクロですか?」
ホクロとシミって同じように色素があるので見分けにくいのが事実。
ただし、ホクロとしみは病理学的に全く異なります。
ホクロとしみは違うもの
少し専門的な内容になるのですが、ホクロとしみの違いをご説明しましょう。
ホクロとは
ホクロとは医学的にいうと「母斑」です。
本来はメラノサイトなどの役割をもった細胞へなるはずだったのに、進化しきれずに中途半端な状態になってしまった母斑細胞が増殖している状態です。
母斑細胞は中途半端にメラニン色素を作り、かつ増殖してしまうため部分的にメラニンがたまっていきます。
(https://jsprs.or.jp/general/disease/umaretsuki/hifu/shikiso.html)
ホクロの種類
ホクロにも平らなものと盛り上がっているものがありますね。
実は、ホクロの細胞「母斑細胞」の存在する位置が異なります。
それぞれの深さによって3種類に分けることができます。
(わかりやすいようにイラストにしてみました)
①境界母斑 皮膚の浅い部分(表皮と真皮の境界)に母斑細胞がたまっている状態
②複合母斑 皮膚の浅い部分に加えてさらに真皮にまで母斑細胞がたまっている状態
③真皮内母斑 真皮内に母斑細胞がたまっている状態 隆起している
上記をみてもわかるように、実は母斑細胞が深くなればなるほど、隆起が強くなる傾向にあります。
はじめは①境界母斑であっても年々母斑細胞が深くまで増殖し、②のように複合母斑となることもあります。
隆起しているホクロは大きさもある程度あることが多く(10mm~など)、部位によってはレーザー治療以外をご案内することもあります。
いずれにせよ、「きれいに治す」ことが一番の目標。
レーザー治療の場合は、平坦になるように削っていくことがポイント。
そしてホームケアもしっかり指導させていただきます。
しみとは
しみはメラノサイトがつくったメラニン色素が表皮にたまったものです。
紫外線や摩擦が原因となり、放っておいてもきれいにはなりません…。
見た目は平坦ですが、境界の比較的はっきりした色素班として表面にみえます。
では、ホクロとしみ、どのように見分けるのでしょうか。
例外はありますが、わかりやすい見分け方をお伝えします。
・隆起している
・色素班に伴って毛が生えている
・生まれながらにある
・徐々に隆起してきた
・6mm以下で比較的左右対称
・よく見ると辺縁のほうが中心よりも薄くなっている
上記のようなものは「ホクロ」の可能性が高いです。
逆に
・6mm以上ある
・隆起していない
・年々濃くなってきた
・よく見ると色ムラがあり、不規則
上記のようなものは「しみ」の可能性が高いです。
ただし、もちろん例外もあります。
しみとホクロは使用するレーザーが基本的に異なるため、実際に拝見してからの診察が大切になります。顔は紫外線を浴びやすく皮脂腺もあり、カラダに比べて様々なできものができやすい部位です。
ほくろ、いぼ、しみ、とみなさんが呼んでいるものは実は何十種類(下手すると100種類以上)にも分類できてしまうので…
ホクロ治療は慎重に
治療方法はその方に合わせて、がオジスキンクリニックのこだわりです。
特に、ホクロの中でも境界母斑と複合母斑では実は治療方法を変えてご案内しています。
一番の目的は「きれいに治すこと」です。
境界母斑に対する炭酸ガスレーザー以外の治療方法、また改めてブログに書きますね。
ホクロは場合によっては保険適応で治療可能です。
再発時の再照射はコストフリーです(保険適応の場合除く)。
お気軽にお問合せください。