こんにちは、オジスキンクリニックの吉原です。
前回まで脂肪溶解注射についてまとめてきましたが、本日はカラダ全体にスリムになりたい方向けのメディカルダイエットについて!
コロナで動かなくなり、マスクで顔も隠れ…
体重計に乗るのもいやになってきた、という方もいると思います。
昨年から話題のGLP-1ダイエット=サクセンダ、ビクトーザについて、実際どうなの?痩せるの?副作用は?というところを記載していきたいと思います。
メディカルダイエットといえば「GLP-1ダイエット」として有名な「サクセンダ」
海外では肥満症の治療薬として認可がおりているれっきとしたダイエット注射です。
1日1回ご自身で注射。
注射というと怖いイメージがある方もいますが、34Gという髪の毛よりも細い針での注射なので「チク」というより「チョン」という感じ(^^;(伝わりにくい)
通院が毎日必要なわけでもなく、1日3回薬を内服するよりも時間短縮。
お隣韓国では2018年に大ヒットし、半年もたたないうちに品薄になった薬です。
既存の他のダイエット薬剤とサクセンダとの大きな違いは、多様な臨床研究結果を持っているというところ。
1年以上投与を継続した、という試験もあり、結果として、体重減少はもちろん、糖尿病予備群から糖尿病になるのを予防してくれるうえに、心筋梗塞などの疾患を予防できるという効果もあることがわかっています。
ここまで聞くと、ダイエット注射として非常に使いやすいように感じますが、実際はどうなのか。
国内の糖尿病内科のドクターの見解も含めて記載していきます。
GLP-1のダイエット効果
食欲抑制効果
おいしいものってつい食べてしまいますよね。
不思議なことにジャングルに住む野生動物に肥満動物はみかけません。
実はヒト以外の動物は摂取量と消費量がうまく保たれ、最適な食欲が作られます。必要以上の摂取はせずに生活することができるのですが、ヒトは大脳の高次中枢が発達しているため、快楽を求めて摂食してしまうんですね。
結果、エネルギーバランスとしては必要ない量をぱくぱくと食べてしまうわけです。
食欲は大脳の視床下部で主に調整されています。
サクセンダはここに働きかけて「あなたはお腹いっぱいですよ~」と指示してくれるんです。
胃排泄遅延効果
実際に、腸管の動きをゆっくりにする効果もあるため、食べたものが長く胃にとどまってくれます(胃排泄遅延効果)。
お腹がいっぱいな時間が長くなるので間食がなくなり、ついコンビニに寄ってしまう習慣がなくなります。
食欲抑制効果、胃排泄遅延効果が相まって、食べる量が自然と減っていきます。
どれくらい痩せるのか
サクセンダが有効なのは
・運動が苦手
・間食が多い
・甘いものが好き
・食べる量が多い
という方です。
では、実際にどれくらい体重が減少するのでしょうか。
2017年にサクセンダによる体重減少についてまとめた論文が出ました(Liraglutide for weight management: a critical review of the evidence Obes Sci Pract. 2017 Mar; 3(1): 3–14.Published online 2016 Dec 19. doi: 10.1002/osp4.84)
551人を対象とした大規模な試験なので非常に参考になると思います。
最初の8週間で体重の5%が平均して減少し、その後ゆるやかにさらに体重が減少し、トータルで平均9%ほど減少していくという結果となりました。
グラフをみてもわかる通り、最初の3か月で大幅な体重減少がみられます。
加えて、体重の15%以上が減少したという被験者が全体の14.4%。
1kg痩せるって実は大変ですよね。
この研究、体重の14.4%が減ったことで、自分に自信がつき、前向きになれたという結果も。
食欲抑制効果によって実質日常生活に制限なく、ダイエットができることになります。
では、副作用はないのでしょうか。
次回以降、副作用=デメリットについて記載していきます。
↓続きはこちら↓
GLP-1「サクセンダ」副作用とダイエット効果を天秤にかけてみた
こちらもご覧ください。
→GLP-1ダイエット。毎日注射「サクセンダ」?週1回「オゼンピック」?どっちがいいの?違いを比較。