こんにちはオジスキンクリニックの吉原です。
今日は最近問合せの多いほくろ取りレーザーについての投稿です。
ホクロがなくなるだけで肌のトーンがあがってみえます。
でも、取るのは勇気がいりますよね。
レーザー治療を受ける前に、そのメリットデメリットをお伝えしてきますね。
◆ホクロを取りたい!と思ったら◆
気になるホクロ、ありますか?
まずはそのホクロに合った治療方法をしっかり選びましょう。
ホクロ治療には実はいくつか方法があります。
①液体窒素
マイナス196℃の液体窒素をホクロに押し付けて取ります。直後に黒くなり表面が壊死します。ホクロの深さによりますが2~4週間間隔で何度か繰り返して除去していきます。
②電気凝固
電気メスで削り取っていく方法です。
③レーザー治療
炭酸ガスレーザーもしくはエルビウムレーザーによる治療です。
④切除・縫合
ホクロをメスで切り取り、その後手術用の糸で縫い合わせます。
➄くりぬき法
ホクロをくりぬき、自然に治癒させます。
①・②の治療は最近は見かけにくくなりました。周囲の正常な細胞へのダメージが大きく、どうしても色素沈着のリスクがあがるからです。
気になるホクロを取ったらへこんだキズアトになってしまった、皮膚がぼこぼこした…となってしまうと元も子もありませんね。
④・➄は手術によるものです。局所麻酔で日帰りでできますので、ホクロの大きさが10mmを超えると検討することが多いです。ただし、縫合するとなるとホクロの大きさの2~3倍の傷跡がつくことになりますので選択するときは慎重に…!
必ず顔面の皮膚腫瘍を手術するのであればプロフェッショナルの形成外科医にお願いしましょう。
ホクロの大きさが数ミリで悪性所見がなければホクロの大きさそのまま削り取ることができるレーザー治療がおすすめです。
◆レーザー治療とは◆
ホクロ取りに使うのは
①炭酸ガス(CO2)レーザー
②エルビウムレーザー
の2種類です。どちらも組織を削っていくレーザーです。
その違いは止血効果があるかどうか。
炭酸ガスレーザーは止血効果がありますが、エルビウムレーザーにはありません。
止血効果があると家に帰ってからの処置がとっても楽ですね。
そしてもう1つ、大事な利点があります。
実は両者のレーザーとも「水分に吸収される」んです。水分があると、そこにレーザーが吸収されてしまい、それ以上削れなくなります。
つまり、エルビウムレーザーは削っていくと血がにじんでくるため、それ以上削れなくなってしまいます。
なので取り残ししやすい、とも言われていますね。
当院で扱いがあるのは炭酸ガスレーザーの「アキュパルス」という機械です。
◆炭酸ガスレーザーも実はピンキリ◆
炭酸ガスレーザーにも実は種類があります。
「スキャナなし炭酸ガスレーザー」と「スキャナ付炭酸ガスレーザー」
スキャナとは、レーザーの照射径を自動で調整できるハイテクな機能です。0.1mm単位での調整が可能で、ホクロの大きさに応じて自動で削りとっていきます。
一方、スキャナがついていない場合は0.2mm程度の照射径のものをフリーハンドでホクロ全体に打っていきます。
フリーハンドなので細かくきれいにすり鉢状に削るのは至難の業です…。
たとえば、ホクロが1cmあった場合で考えてみましょう。
スキャナ付きレーザーの場合は1cmの照射径で1回でホクロ全体に照射できるのに対して、スキャナがついていない場合は0.2mm程度で数十回にわけてフリーハンドで打っていくことになるのです。隙間が空いたり、部分的に重ね打ちになってしまったりしてきます。
わかりやすい画像があったので拝借して掲載させていただきます。
スキャナなしレーザーが上、スキャナ付きが下です!
http://clinic-n.mitelog.jp/blog/co2re/
絶対に下のレーザーで治療してもらいたいですよね(^^;
さらにわかりやすく比較してみます。
スキャナなし | スキャナ付 | |
施術時間 | 大きなホクロは時間がかかる | ホクロの大きさに合わせて削れるため、短時間 |
痛み | 時間がかかると麻酔がきれる可能性がある | 出にくい |
施術後の長期間の色素沈着 | 出る | 出にくい |
再発リスク | 高い | 低い |
キズが凸凹するリスク | ある | ほぼなし |
その他 | ・ドクターの技量により色素沈着が長引いたり、凸凹する。 ・比較的安価に施術を受けることができる。 |
導入しているクリニックが少ない |
ホクロを取るのに、スキャナ付を選ばない理由がありません。
従来のスキャナなしのホクロ取りレーザーに劣る部分がありません!
デメリットとしてあげるのであれば導入しているクリニックが少なく、クリニックの選択肢があまりなくなってしまうことでしょう。
◆スキャナ付レーザーの種類を知ろう◆
スキャナ付きレーザーにもいくつかありますが、機種は限られています。
①eCO2(キャンデラ社)
メリット:以前からある機種なので出回っている確率が高い。
デメリット:ホクロ取りの場合は辺縁が炭化するため、組織のダメージが多い
②Co2RE(キャンデラ社)
メリット:eCO2の上位機種。(毛穴やニキビ跡治療としてのフラクショナルレーザーの仕様がeCo2から変わり、扱いやすくなった。)
デメリット:ホクロ取りの場合は辺縁が炭化するため、組織のダメージが多い
③アキュパルス(ルミナス社)
メリット:すり鉢状に削るモードを搭載しているため、ホクロに特化した施術が可能。辺縁を炭化させずに削りとることができるため病変以外の組織への熱損傷を最小限に抑えて、炎症反応や色素沈着のリスクが軽減される。
デメリット:機械自体が高価なので導入しているクリニックが少ない
当院で導入しているのはアキュパルスレーザーです。
当院をオープンするときに、たくさんのメーカーから話を聞き、実際に施術を行い…
悩んで決めた、のではなく即決でした!!
明らかに機械としての性能がよく、いわゆる優等生。
要領はよいけどトラブルメーカー、なにをやらせても平均点、素直で性格はよいけれど結果はいまいち…などたくさんの機械がありましたが、本当に優等生なんです。
世界的にも優れた機種で、色素沈着の時間が明らかに短く済むうえ、すり鉢状に削ることができるため凹みが残りにくいのも特徴です。
◆ホクロ取りは慎重に!◆
気になるホクロがなくなるとお肌のトーンもあがったように感じると思います。
ただし、ホクロを取るのと引き換えにおおきなへこみやキズアトは残したくありませんよね。
レーザー治療を受けるときは機種までしっかり記載してあるクリニックがおすすめです!
もちろん、出血・急拡大・びらんなどを伴う場合は悪性腫瘍の可能性もありますのでしっかり見極めが大切なのは大前提です。
当院ではレーザー治療のみならず、大きさや性状によっては形成外科専門医が切除し、取り切ることも可能です。
部位によってはレーザーよりもきれいに治癒することもありますよ。
ホクロ取り、場合によっては保険が適応となります。
ぜひお気軽にご相談くださいね。