こんにちは、オジスキンクリニック院長の吉原です。
今回はニキビ跡について。
ニキビ跡治療と検索すると必ずといっていいほど出てくるのが「ダーマペン」です。
ダーマペンとは
「マイクロニードリング」
という治療のひとつです。
今回はこの「マイクロニードリング」という治療で用いるダーマペンについて解説したいと思います。
◆ニキビ跡にも種類がある◆
ニキビ跡とひとくちに言っても種類がありますよね。
今回ここでお伝えするのは陥凹したニキビ跡について。
肌は表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」と3種類に分かれています。
https://www.beauty-license.jp/posts/6694304/
いわゆるクレーターといわれるニキビ跡。これは皮膚の真皮という層まで達するキズアト。
肌のいちばん表面「表皮」だけの問題であれば凹むことはありませんが、さらに深部の真皮まで達すると皮膚はへこみます。
すなわち、治療するときは再度「真皮」まで達する治療が必要になります。
そこで登場するのがダーマペンです。
◆真皮にキズをつくる?ダーマペンの意味を知ろう◆
ダーマペンとは。
単純なことをしているように見えて奥が深いダーマペン。
皮膚に髪の毛よりも細い針でたくさんの孔をあけていき、自身の創傷治癒能力を利用して針孔を埋めるようキズを治す過程でコラーゲンが増えていきます。コラーゲンが増えることで皮膚を平坦に近づけていきます。
ここで大切なのが針の深さと細さ。
まず深さ。
皮膚の厚みは部位によって異なります。そしてニキビ跡部分になると真皮は厚みを増します。およそ0.1~0.2mmの表皮、さらに1~5mmの幅をもって真皮がひろがります。
真皮の線維芽細胞に働きかけるよう針の深さを調整させることが治療の肝となります。
深ければいいわけでもないので要注意です。
針の細さもとても大切。
太すぎる針では自身の創傷治癒の力が間に合わず、キズアトになったり色素沈着したり。
細い針で多くの針孔をあけることでダウンタイムを短く、かつ効果をあげることができます。
ダーマペン4について詳しくはこちら→https://www.ozi-skin.com/beauty/treatment/dermapen.html
◆類似品に要注意◆
針の深さの調整ができず、以前出回っていたのが「ダーマローラー」です。
↓こういうものです。なんと楽天などでたくさん出てきます。。。
https://item.rakuten.co.jp/oasis-store/hsr540/?iasid=07rpp_10095___ep-kk3oc250-fb-d4a8bc92-975d-4693-a5a8-d2b63499cb41
見てわかる通り、針の深さは調整できません。
目元や口周りは皮膚がうすいため、これでは真皮層ではなくさらに下の皮下組織まで傷をつけることに。
また、針が垂直に入るのではなく斜めからはいるため、創傷治癒の働きが鈍くなるともいわれています。
実はダーマローラーは通販で個人購入もできるようです。
ただし、真皮までのケアは表皮までのケアと比べて、①出血 ②瘢痕(傷跡)③感染のリスクが急激に上昇します。特にダーマローラーはセルフで針先までしっかり滅菌できるわけがありません。
また、針の深さや施術の圧力のかけ方で思わぬ副作用に悩まれます。
場合によっては肝斑出現・色素沈着・修復が追い付かずに小じわ激増…なんてことにもなりえます。
(オジスキンクリニックでのダーマペン治療は研修を受けた看護師が施術します。)
セルフでのケアは絶対にやめましょうね。
◆医療機器「ダーマペン4」のメリット◆
ニキビ跡治療の代表格として古くから存在する「マイクロニードリング」。
ダーマペン4はこの治療ができる最新医療機器です。
それではまず、ダーマペン4のメリットをお伝えしていきます。
①針が素晴らしい
先ほどもお伝えしましたが、ダーマペン4は針が皮膚に対して垂直に挿入されます。
また、針の細さも33Gと超極細です。針の細さは非常に大切です。針が太ければ針孔が色素沈着になるリスクが出てきます。
また、ダーマペン4は深さの調整を0.1mm単位で行うことができます。これは真皮の層に適切に薬液を入れていくうえで非常に重要となります。
②清潔
当然といえば当然なのですが、ダーマペンで使用する針は1回1回使い捨てです。
ダーマローラーは針は滅菌して再利用ですが、そのあたりダーマペンは非常に清潔といえます。万が一があってはならないので滅菌して再利用なども当然ありえません。
また、これはマニアックなお話ですが…ガス滅菌など医療用滅菌機で針を滅菌すると、針先が鈍くなり、皮膚への刺さりが悪くなります。
ですので針は必ず1回1回使い捨てです。
③実証された効果
ニキビ跡治療には真皮までの治療が必要になりますが、ダーマペン4は真皮に働きかけることでニキビ跡をきれいにしていきます。
実はマイクロニードリングに関する文献はたくさんあり、その効果が実証されています。
「こうすると効果がある」というのがある程度わかっている治療法なので、プロトコールにある程度従うことできっと効果を感じていただけるはずです。
逆に言うと1回できれいになるかときかれれば答えはNOですし、クレーターの種類によっては効果がわかりにくいこともわかっています。
そして、針の深さも効果に大きく関与します。毛穴治療ではなくニキビ跡の治療なので、結構アグレッシブに攻める必要があります。
④効果の割に短いダウンタイム
ダーマペンのよいところはそのダウンタイムの短さにあります。
真皮までの治療には必ずダウンタイムが伴います。
ダーマペンは非常にバランスのとれた治療法で、赤みは出ますが、翌日にはメイクで隠れるくらい。ダーマペン4は従来のものよりも針が細くなり内出血もしにくくなりました。
ニキビ跡治療として王座に君臨するCo2フラクショナルレーザーは効果はあるもののかさぶたになる期間があるので、ダウンタイムを取れない方にはダーマペン治療が最適です。
では、続いてデメリットについて解説していきます!
➄ゴールデンタイムがある
ゴールデンタイム。
それは針孔がふさがるまでの時間です。
真皮まで直接薬剤を入れることができるため、ダーマペンをされるときには必ずこの針孔を利用してください。でないと非常にもったいない。
◆デメリット◆
①1回で効果がみえない
ダーマペンはその治療の特性上、回数を重ねる必要があります。
そもそも1回でニキビ跡がすべてつやっときれいになる治療は残念ながら現在のところ存在しません…。
CO2フラクショナルレーザーのようなダウンタイムが出る治療ができるのであればそちらのほうが少ない回数で効果は感じていただけるでしょう。
ダーマペンのほうがかかる回数が1.5~2倍になるイメージです。
②色素沈着するリスクがある
オジスキンクリニックの場合は医療機器メーカーから実際に施術訓練を受けた看護師が施術することになりますが、例えばセルフでダーマペンをする場合は色素沈着のリスクが高くなります。
押し付ける強さや針の深さの設定によっては強い色素沈着を起こします。
もちろんクリニックで行うダーマペンの治療でも色素沈着のリスクは伴いますが、セルフでの治療はそれが何十倍にもなりえます。
逆に、針の深さが足らない場合は真皮まで到達すらしていない可能性も。
部位やニキビ跡の深さによって本来ダーマペンは適宜調整が必要なのです。
③赤みが出る
ダーマペンは施術後から赤みが出ます。
目周りや骨が近い鼻や頬骨のあたりは比較的出やすい部位です。
また、ニキビ跡が深く、針を深くすると赤みも強く出ます。
ただし、ダーマペン4の場合は針が33Gと超極細なので2時間程度で針孔はふさがってしまいます。
赤みも8割方翌日には目立たなくなっています。
赤みを早く引かせるコツとしては
★長湯しない
★運動しない
★お酒を飲まない
です!
血流がよくなるようなことをすると赤みが長引きますよ。
オジスキンでは赤みを出したくないけれどダーマペンをしたい!という方のためにダーマペンの効果を高める幹細胞導入もしています。皮膚の修復を早めてくれ、赤みが改善するのも早い割に艶感・毛穴・小じわ・くすみ…様々な効果がある優れものです。
◆まとめ◆
ダーマペンは非常によい治療ですが、クリニックの医師の指示のもと行う必要がある医療行為です。
リスクを増やさずに適切に治療を受けてニキビ跡を改善していきましょう。