肌のシミが気になるけど
「高い治療はちょっと・・・」、「できれば強い治療はせずに治したい!」
といったお悩みありませんか?
実はこの記事でご紹介する、
● 肝斑を悪化させないコツ
● 自分できる肝斑ケア
を活用すれば、よりリーズナブルに肝斑を治療することができます。
私自身、美容皮膚科医として毎日診療にあたり、最新情報を収集しています。
この記事では、クリニックでの治療と並行してできるセルフケアをわかりやすくお伝えします。
この記事を読み、さっそく肝斑ケアに取り組みましょう!
執筆者:吉原 糸美
オジスキンクリニック浦和院 院長
肝斑とは?
肝斑は、頬〜目の周りに沿ってできる薄茶色のシミです。
肝斑の特徴は、「左右対称」・「比較的明瞭な境界線のある色素斑」であることです。
頬〜目の周りに沿ってできることが多いですが、おでこ、口周りにできることもあります。
肝斑の原因は、作られすぎたメラニンがお肌に溜まっていくこと(*1)です。
では、なぜメラニンが溜まってしまうのでしょう。
メラニンが異常にたまってしまう理由は
● メラニンがつくられすぎる
● メラニンの排出がうまくいかない
の2点です。
紫外線や摩擦などの刺激により皮膚に炎症が起こり、細胞レベルでの破壊が進んだ結果といわれています。
肝斑へのセルフケア
なるべくお金をかけずに自宅でできる肝斑のセルフケアとして以下の4つが重要です。
● 顔をこすりすぎない
● ビタミンCを積極的にとる
● 日焼け止めを積極的に使う
● 睡眠を確保する
顔をこすりすぎない
シミを防ぐためには、肌に触れすぎないことが大切です。
顔を洗うときにこすらないこと、最小限のメイクを心がけることから実践してみてください。
肌に触れること自体が、メラニンを作る原因になるからです。
具体的に言えば、こすり洗い・タオルで顔を拭く・化粧水を叩きこむ・肌の上にコットンを滑らせる、といったことも肌への刺激になります。
メイクを塗りすぎることも肌にとって負担です。メイクを落とすときに肌をこすりますし、メイクする時も肌をこすっています。
ビタミンCを積極的にとる
内服治療で最も効果的なのはトラネキサム酸ですが、
実はビタミンCにもシミを薄くする働きがあります。
シミの原因物質であるメラニンの色を薄くするからです。
ビタミンCには他にも女性に嬉しい働きがあります。
ビタミンCは抗酸化作用・肌の炎症を抑える、など肌のメンテナンスに関わっています。
ビタミンCをとる時はちょっとしたコツがあります。
ぜひ以下のポイントを参考にしてください:
● ブロッコリーやじゃがいもを電子レンジ調理する
● サプリメントを利用する
● ビタミンCが多く含まれている食品(キウイ、アセロラ)をとる
ポイントは
「加熱調理を避ける」「ビタミンCが多い食品を選ぶ」「食事だけで取りにくいならサプリ」
です。ビタミンCは水溶性なのでお湯でぐつぐつ煮てしまうと溶けだしてしまうので調理方法には要注意です。
ビタミンCは最低900㎎程度は内服したいところ。
十分量食事から摂取するのは難しいかもしれませんよね。
その場合はサプリに頼っちゃいましょう!
ちなみに、ビタミンCは単独で摂取するよりもビタミンEと一緒に摂取することでより効果が出やすいことがわかっています。
せっかく内服治療を始めるならぜひビタミンEも一緒に♪
日焼け止めを積極的に使う(* 2)(*3)(*4)
日焼け止めは美肌に欠かせません。
「季節に関わらず」「天気に関わらず」、日焼け止めは1年中毎日使ってください。
紫外線は1年中毎日降り注いでいます。
日傘やUVカットの洋服だけでは不十分です。地面や建物から反射される紫外線を防げないからです。
紫外線は肌の調子を崩すだけでなく、シミの原因物質メラニンを増やす働きがあります。
日焼け止めを使うことでメラニンが作られにくくなります。
日焼け止めを特に塗っていただきたい部分は、頬・鼻・おでこ周りです。
基本的には2時間おきの塗り直しが推奨されています。少し面倒かもしれませんが、朝1回塗っておしまい、はNGです!
睡眠を確保する
肌のシミが気になる方こそ、ぜひ睡眠に気をつけてください。
仕事で忙しかったり、子供を育てていたり、といった事情で夜十分に眠れないと、その影響はお肌にも現れます。
しっかりと睡眠を取らないと肝斑がになってしまうこともあります。
仕事や育児で忙しいある日、鏡を見たら顔に今までなかったシミができていた、という経験をされた方は少なくありません。
夜の睡眠が不足すると、「メラトニン」が十分に分泌されなくなります。
それがお肌の新陳代謝にも影響を及ぼします。
お肌の代謝が悪くなると、肝斑の原因物質(メラニン)が肌に残りやすくなって、結果として肝斑になって現れます。
ご自分のシミの種類を知ることがまずは大切
気になっているシミが本当に肝斑かどうか見分けることは医師にも難しいことがあります。
肝斑と一緒に、他のシミ(日光黒子)やそばかすが同時に出ている事も多々あります。
この場合も、肝斑の治療を優先するのか、ほかのシミ治療を優先させるのかは
肌質によって変わります。
肝斑は難しく、再発もしやすい病気として知られています。(*5)
(*2)ので、セルフケアだけではうまく改善しないことも珍しくありません。
● 自分のくすみが何なのかわからない方
● どうしてもシミが気になる、不安だという方
● 市販の内服や外用を試したけどあまり効果を感じられなかった方
オジスキンクリニックでは肝斑治療にも力を入れています。
「肝斑」と一口に言ってもお肌質やその方の色素量(メラニン量)によって適切な治療は全く異なります。
日焼けすると真っ赤になる方、真っ黒になる方、肝斑に加えて濃いシミが併発している方、季節によってい肝斑がくなる方、光治療で肝斑が出てきてしまった方などなど…
お肌に合わせたレーザー治療、内服や外用、ピーリングなど様々な選択肢をご用意し、ひとりひとりに最適な治療をご提案させていただきます。
ぜひ一度お気軽にご相談くださいね。
参考文献
*1 Grimes PE, Yamada N, Bhawan J. Light microscopic, immunohistochemical, and ultrastructural alterations in patients with melasma. Am J Dermatopathol. 2005 Apr;27(2):96-101. doi: 10.1097/01.dad.0000154419.18653.2e. PMID: 15798432.
*2
Grimes PE. Management of hyperpigmentation in darker racial ethnic groups. Semin Cutan Med Surg. 2009 Jun;28(2):77-85. doi: 10.1016/j.sder.2009.04.001. PMID: 19608057.
*3
Cestari T, Arellano I, Hexsel D, Ortonne JP; Latin American Pigmentary Disorders Academy. Melasma in Latin America: options for therapy and treatment algorithm. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2009 Jul;23(7):760-72. doi: 10.1111/j.1468-3083.2009.03251.x. PMID: 19646135.
*4
Grimes PE, Ijaz S, Nashawati R, Kwak D. New oral and topical approaches for the treatment of melasma. Int J Womens Dermatol. 2018 Nov 20;5(1):30-36. doi: 10.1016/j.ijwd.2018.09.004. PMID: 30809577; PMCID: PMC6374710.
*5
Grimes PE. Melasma. Etiologic and therapeutic considerations. Arch Dermatol. 1995 Dec;131(12):1453-7. doi: 10.1001/archderm.131.12.1453. PMID: 7492140.