こんにちは、オジスキンクリニック院長の吉原です。
あっという間に9月も半分終わりました!
8月にオープンし、施術後の経過を拝見することも増えてきました。
皆様に喜んでいただけるのがなによりうれしいです。
(経過はしっかり拝見させてくださいね。ご足労おかけいたしますがよろしくお願いいたします)
さて、今日はニキビ跡について。
ニキビ跡とひとくちに言っても、種類があります。
①炎症後紅斑
②色素沈着
③凹凸
今回は③の凹凸について。
凸凹ニキビ跡に悩まれている方、結構いらっしゃると思います。
✓今までいろいろ試してきた方も
✓鏡をみて憂鬱になりつつ、治療に踏み出せなかった方も
どうにもならないとあきらめないでください。
皮膚の凹凸は治療に時間がかかりますが
《ニキビ跡治療の最短経路!》
やってよかったときっと思えるフラクショナルレーザーについて。
ちょっとマニアな話もありますが、今までの研究内容踏まえてお話します!
■なんでへこんじゃうの?ふくらんじゃうの?■
「凹凸=萎縮性瘢痕、肥厚性瘢痕」
とも言います。
いま凸凹している部位、赤くて膿がたまって痛くて…という状態だったニキビ部分ではなありませんか?
肌の表面「表皮」とその下のコラーゲン層「真皮」が炎症によりキズがつき、治癒していく過程でぎゅっと縮んでしまったり、代わりの組織をつくりすぎてしまうことで起こります。
なるべくニキビを早く治しましょう、とお伝えしているのはニキビ跡にしたくないから。
特に思春期ニキビは適切に治療してあげないとくすぶって、将来ずーっとニキビ跡が残ることに。ニキビ跡の治療があるにしても、早く治すことに越したことはありません。
■その治療、凸凹ニキビ跡に効果ありません!■
当然ながら、私は私自身効果がないと思っている治療はおすすめしません。
でも、世の中には医師が「効果ないなあ…」と思っていても平気でその治療を勧めるところもあるんです。
そうして、残念ながら効果がない治療を漫然と繰り返している方もいます。
①まず、ケミカルピーリング。
一般的なピーリング剤ではまず凹凸ニキビ跡は改善しません!
エステでよく用いられるフルーツ酸はもちろん、クリニックで一般的に用いられるサリチル酸、グリコール酸、TCA(トリクロロ酢酸)もだめです。
リスクも高いため、取り扱いのあるクリニックは非常に珍しいですが、
✓グリコール酸であれば70%以上
✓TCAであれば40%以上
でようやく真皮の乳頭~網状層上層まで達します。
でもニキビ跡をしっかり治療するには少し足りません。
唯一その下までしっかり入り込むことができるのがフェノールピーリングです。
ただし、フェノールはあまりにも強いピーリング剤ですので日本人は色素沈着を起こすリスクが高いため流通していないのが現状です。
②続いてフォトフェイシャル。
フォトフェイシャルは凸凹ニキビには効きません。
もちろん、ニキビ跡の色むら(炎症後紅斑や色素沈着)には効果があることがありますが、凸凹はよくなりません。
コラーゲン層まで達する治療ではないからです。凸凹治療はできません。
③そして…ダーマペン単独治療。
いわゆるマイクロニードリング。微細な針で細かく皮膚表面に微細な穴をあけていきます。これは効果がないわけではありませんが、実際に効果を実感できるまでにはかなりの回数が必要になります。微細な穴をあけるだけでは「キズアト」はそう簡単によくならないんです。
そして、そこまで根気強く回数を重ねられる方は少ないのが現実かと思います。
実際に今まで他院で凸凹のニキビ跡に10回以上施術されてきた方をたくさん拝見してきました。
写真でわかるほどの大きな改善は難しく、ご本人も効果をあまり感じられず…。
20回以上重ねて、ようやく写真でわかるほどの効果がみえてくるイメージです。
「5~6回程度でよくなる」は難しいと思います。(もちろん、毛穴治療は別ですよ!)
★ただし!ダーマペンで針孔をあけたあと、そこへ真皮のコラーゲンをつくるような薬剤を導入すると、効果は大きく異なります。やはりコラーゲンを作らせる刺激が必要なんですよね。
たとえば
✓「ベルベットスキン」という名称で人気のTCAの導入
→TCAを通常塗布するよりも直接コラーゲン層(真皮)へ導入することが大切です。
✓成長因子導入、ヒトプラセンタ導入
→なにかと話題ですよね。肌の真皮へ直接コラーゲンを増やす因子を入れていきます。
つまり、ダーマペン単体の効果というよりもダーマペンをあくまで導入するための機械として使い、コラーゲンを増やすことで治療を促す必要があるのです。
ダーマペン単体治療では効果を実感できるまで長~い道のりになってしまうのが現状です。
■では、効果のある治療は?■
ニキビ跡に効果のある最短経路の治療。
それが「CO2フラクショナルレーザー」です。
まずはお写真をご覧いただきます。
左が治療前、右が治療後です。
頬のニキビ跡が目立っていたのがなめらかになっているのが見てわかるかと思います。
フラクショナルレーザーとは、炭酸ガスレーザーを点状に皮膚に照射していく方法です。
従来のレーザー治療は皮膚の表面全体に照射していたため、ダウンタイム(赤みや色素沈着)が出やすく、施術を受けるのが困難でした。フラクショナルレーザーは点状の照射であるため、皮膚を温存しながら再生を促すことができるので短時間で美容効果を得ることができる画期的な治療なのです。
ニキビ跡への効果は今までの研究で明らかになっています。
要約したものを少し。
✓ニキビ跡に合計6回の施術で見た目が大幅に改善します。全体の35%の症例でニキビ跡が大幅に改善し、40%以上の症例で目に見えるニキビ跡が半分以下になりました。特に、点状のへこみにはよく効果がありました。(P Andrev et al,.2015)
✓萎縮性のニキビによる瘢痕をもつアジア人25人に対してCO2フラクショナルレーザーを照射しました。1回の治療で25人中20人が改善を示しました。炎症後色素沈着が起こった症例は6人いましたが、そのうち5人は3か月で色素沈着が消失しました。アジア人のニキビによる萎縮性瘢痕には非常に有効と考えられます。(Pa-Fan Hsiao et al,.2013)
✓ニキビ跡に効果があるといわれている「エルビウムフラクショナルレーザー」「FRM(ニードルRF)」「マイクロニードル(=ダーマペンやダーマローラー」について研究した30件以上の論文を比較した結果、CO2フラクショナルレーザーがニキビ跡には最も良好な結果を得ることがわかりました。特にローリングスカー、ボックススカー(詳しくはHPのニキビについての説明をよんでみてくださいね)には良好な結果を得ました。(Georgios Kravvas et al,.2018)
というわけで…
ニキビ跡の治療にはCO2フラクショナル、なんです。
■こだわりのアキュパルスレーザー■
効果のある治療にはやはりダウンタイムがあります。
いわゆる「赤み」や「かさぶた」です。
ただし、そのあたりも当院で使用している厚生労働省が認可している「アキュパルス」というレーザーは優れもの。
出力や密度、照射方法を調整することで翌日からほとんど目立たないよう施術することもできます。ライフスタイルに合わせて治療をすすめていくことができるんです。
実際にそのように調整して当院で施術された方、周囲に気づかれなかったという方がほとんどです。翌日からメイクもできますよ。
ニキビ跡は放っておいてもなかなかよくなりません。
メイクが入り込んだり、光の加減で目立ったり、なかなか自分に自信がもてなかったり。
アキュパルスによるフラクショナルレーザー、試してみてください。
皮膚を入れ替える治療なので、ついでに毛穴や小じわもよくなりますよ!
少し熱が入ってややマニアックな話になってしまいました。
今日も1日頑張ります(^^♪